SES企業の求人票の読み方|ブラック企業を見抜く7つのポイント
SESの求人票って、正直どこも同じに見えませんか?
「未経験歓迎」「研修充実」「年収400万円以上」——全部ウソとは言いません。でも額面通り受け取ると、痛い目に遭います。
SES企業を経営している立場から、求人票のどこを見れば本物の会社とヤバい会社を見分けられるか、ぶっちゃけます。
①「未経験歓迎」の裏を見る
「未経験歓迎って書いてあるから安心」——ちょっと待ってください。
「未経験歓迎」には2種類あります。
育てる気がある会社
- 研修カリキュラムの具体的な内容が書いてある
- 取得を目指す資格名が明記されている
- 研修期間と研修中の待遇が明確
頭数を揃えたいだけの会社
- 「入社後OJT」としか書いていない
- 研修内容が「ビジネスマナー研修」だけ
- 「やる気があればOK!」のテンションだけ高い
後者は、ぶっちゃけ「とりあえず採用→すぐ現場に送る→合わなかったら辞める」というサイクル。こういう会社は離職率が異常に高い。
②「研修充実」の実態を確認する3つの質問
「研修充実」は求人票の魔法の言葉。実際に何をやるかは聞かないとわかりません。
面接で必ず確認すべき3つの質問がこれです。
- ①「研修期間はどのくらいですか?」
まともな技術研修なら最低1ヶ月。「3日間」とか「1週間」は研修と呼べない。 - ②「研修中の給与は出ますか?」
「研修中は無給」「研修中はアルバイト契約」という会社は存在する。これは重要な確認事項。 - ③「直近の資格取得率は何%ですか?」
本気で育成している会社は、この数字を把握しています。答えられない会社は研修の成果を管理していない証拠。
③「年収400万円以上」のカラクリ
「年収400万って結構いいじゃん」——未経験でそれはすごいですよね。でもちょっと計算してみましょう。
SES企業の未経験入社、初年度の相場はこのくらい。
月給22万円 × 12ヶ月 + 賞与2ヶ月分 = 約308万円
「400万以上」はどこから来るのか。残業代込み、インセンティブ込み、3年目以降の想定年収——こういうカラクリが多い。
求人票の年収は「月給 × 12 + 確定賞与」で計算し直すのが鉄則。「モデル年収」は参考程度にしましょう。
→ インフラエンジニアのリアルな年収:インフラエンジニアの年収リアル|未経験1年目から5年目まで
④ 還元率・単価の開示度でわかる会社の姿勢
「自分にいくらの値段がついているのか」——SESで働く以上、これは知っておくべき数字。
SES企業の売上は「クライアントが払う単価」から成り立っています。その単価のうち何%がエンジニアに還元されるかが「還元率」。
- 還元率を公開している会社:透明性が高い。エンジニアの給与アップに前向き
- 単価も還元率も非公開の会社:「知らないほうがいいよ」ということ。つまり低い
面接で「還元率はどのくらいですか?」と聞いて嫌な顔をされたら、その会社はやめたほうがいい。まともな会社なら普通に答えてくれます。
→ 還元率の詳しい仕組み:SES企業の還元率とは?相場と確認方法を解説
⑤ 配属先ガチャを避けるために確認すること
SESの最大の不安が「配属先ガチャ」。どんな現場に行くかで、経験できる内容も働きやすさも全然違う。
完全にコントロールはできませんが、確認すべきポイントはあります。
- 「配属先の希望は出せますか?」
- 「未経験者はどんな案件からスタートしますか?」
- 「現場が合わなかったとき、異動の相談はできますか?」
この3つに具体的に答えてくれる会社は、エンジニアのキャリアをちゃんと考えている。「入ってからわかります」は危険信号。
→ SES面接で聞くべき質問リスト:SES企業の面接で確認すべき5つの質問
⑥ 離職率・定着率のチェック方法
「離職率はどのくらいですか?」——これを直接聞ける人は少ないかもしれない。でも、間接的に調べる方法はあります。
- 求人の掲載頻度:常に大量募集している会社は、入った分だけ辞めている可能性大
- 口コミサイト:OpenWorkやen Lighthouseで「退職理由」を読む。3件以上同じ理由が出てきたら、それは構造的な問題
- 社員の在籍年数:LinkedInやWantedlyで社員のプロフィールを見る。全員が1年未満なら怪しい
面接で聞く場合は「1年後の定着率はどのくらいですか?」と聞くのが自然。離職率より定着率のほうがポジティブなので、会社側も答えやすい。
まとめ|求人票チェックリスト
最後に、この記事のポイントをチェックリストにまとめます。
- □「未経験歓迎」の研修内容は具体的か?
- □ 研修期間・研修中の給与・資格取得率を確認したか?
- □ 年収は「月給×12+確定賞与」で計算し直したか?
- □ 還元率・単価は聞ける雰囲気か?
- □ 配属先の希望・異動の相談ができるか?
- □ 離職率・定着率を調べたか?
求人票は「会社の広告」です。いいことしか書いてなくて当然。だからこそ、裏を読む力が必要なんです。
この記事が、ブラック企業を避けるフィルターになれば嬉しいです。
→ 転職ガイドの全体像はこちら:未経験からエンジニア転職|準備から内定までの完全ガイド
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村上悠司(むらかみ ゆうじ)
株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成・派遣に特化したSES企業を設立。